
人生で初めて長崎を訪れた。あらゆるところが素敵で心ときめく街だったけれど、市内と五島列島の一部を巡るなかで、隠れキリシタンの信仰に関連して、かなり興味深い美術や史料と出逢った。
なかでも個人的に、一番に心を惹かれたのが白磁の小さなマリア観音像というもの。
長崎ではマリア信仰が強く根付いていったとのことだが、信仰を偽り隠すために作られた菩薩像。時に、赤子を抱いている姿のもあって、それにはマリア母子像という名が付けられていた。
観音様に身を窶した聖母マリア、ということなのだけれど、仏壇などでも見慣れた観音様が、西洋の白い大理石彫刻のような肌をして、バロック風のヴェールを纏ってあらわれてくるようでもある。弾圧を避けるための苦肉の策としての代用品であったのかもしれないけれど、キリスト教が日本に受容される過程で、奇妙に調和して独自に変質していった、とても面白い融合の結実だと感じた。
写真は、それも同じく中国を受容して仏教建築の要素を織り交ぜながら建造された唐寺の内部で、そこに鎮座していた可愛らしい像たちの、左から二番目が、マリア観音の子ども付きver.なのではないか。と思ったけど、wikiによると、中国由来の慈母観音像というものがあり、それに日本人たちがマリアを投影したという経緯もあったようで、ごちゃごちゃでよくわからない。
にしても、このマリアさまはイケイケである。その右隣は、はじめは後光かと思った本当に夥しい数の手が生えている白い千手観音。
マリア観音像、けっこう好みなので、あわよくば入手さえしたいと思って調べてみたら、ロックバンドの名前になっていたり、刺青のデザインで使われたりしている。厨二心を擽られるらしいモティーフに弱いのが、相変わらずだなと思いました。
五島列島のひとつ福江島と、軍艦島も、天候に恵まれほとんど最高のコンディションでみることができました。また行きたい。
