「長谷川潔展──パリに生きた銅版画家の軌跡」 

おパリを少し思い出せたりするかなと思って足を運んだ長谷川潔展、この人の描く少女や女性はなかなかに人形的ではないのと虚をつかれつつ歩みを進めていたら、それはたいへんな少女のお人形の作品たちに出逢ってしまいました。

閉じ込められた部屋のなかで虚空を見つめる瞳、忘れられ打ち棄てられた軀から伸びる四肢は当然に艶めかしくて、人間からどんな目に遭わされようとも、いえ遭わされるからこそでもあろうけど、貴女たちはどんなときでも不遜なほど気高くて、狡猾なまでに蠱惑的なのです

……って、貴方(版画家)の人形観、きっとそういうのなのでしょう、いやほんとに、そうだよね!って勝手にひとり盛り上がり、一方的に共鳴するのでした。そんなつもりで来たわけではなかったのですが。
おパリについては、藤田嗣治と滞在時期がかなり重なっていながら交流の記録はほとんど残されていないという、そのことがわかるような、わからないような。でも二人とも、人形に愛着を抱いていたことがよくわかりました。

町田市立国際版画美術館所蔵 長谷川潔展──パリに生きた銅版画家の軌跡
パナソニック汐留美術館
2026年7月11日(土)~2026年9月23日(水・祝)