
《父の情景》1981│ビデオ(オリジナル:16mmフィルム)
作家の父親の死に際して制作されたという。小さな女の子の人形が、ぽたりぽたりと落ちてくる赤黒い臓腑と薔薇の花びらとに埋もれてゆく。陽光のもとさざめく木の映像が眩しくて、両者の映像の佇まいの落差が瞼の裏に灼きついている。
「出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝」
2026.6.18 (木) — 9.21 (月・祝)東京都写真美術館
出光真子(1940–)は、日本における実験映画およびビデオアートの先駆的な作家です。1960年代にアメリカ滞在を経て制作を始め、女性の生き方や家族、メディアと社会の関係を主題に、フィルムや当時のビデオを用いた作品を発表しました。とりわけ1970年代以降のビデオ作品では、テレビ・メロドラマの語法を取り入れながら、母と子、夫婦関係、女性の社会的役割といったテーマを独自の視点から描き出しています。近年は、ジェンダーや身体をめぐる国際的な議論の高まりのなかで、その実践があらためて注目されています。本展は、出光の創作活動の全貌を振り返る大規模な回顧展です。当館で収蔵する全作品を、展覧会と上映により網羅的に紹介します。

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