• カルナヴァレ美術館にて、マルセル・プルースト生誕150周年を記念した企画展。プルーストとパリの関係に焦点を当て、1. プルーストのパリ(Le Paris de Proust), 2. プルーストの寝室(La chambre de Proust), 3. 『失われた時を求めて』におけるパリ(Paris dans À la recherche du temps perdu.)の三部構成。展示品は手稿や肖像のほか、パリの街や人々の様子の描かれた絵画、写真、地図などの視覚的イメージが大半を占め、その他、映画の抜粋やインタビュー映像の上映、座って朗読を聞くことのできるコーナーがある。2021年にリニューアルオープンした美術館のコレクション展にはプルーストの寝室が再現された一角があるが、この展示にも寝台が置かれていた。

    ルーヴル美術館

    上: Doudeauville公爵夫人のサロン
    下:パリ8区、Berri通り20番, princesse Mathildeの温室

    Léon Gabriel Coffinières de Nordeck, La Journée d’un homme du monde

    第二帝政期に開園したブーローニュの森のアクリマタシオン庭園(Jardin d’Acclimatation)

    Victor Martenot, Plan du bois de Boulogne, 1857
    Félicien Rops, Les Adieux d’Auteuil, 1870
    Mariano Alonzo-Perez, Femmes au café, vers 1990
    « Marcel Proust, un roman parisien. » Jeudi 16 décembre 2021 – Dimanche 10 avril 2022. Musée Carnavalet.
    Le musée Carnavalet – Histoire de Paris commémore le 150e anniversaire de la naissance de Marcel Proust (1871-1922).
    Consacrée aux rapports de Marcel Proust à Paris, où se déroule l’essentiel de son existence, l’exposition Marcel Proust, un roman parisien interroge pour la première fois la place de la ville dans le roman proustien.

  •  ルーヴル美術館、閉館間際に焦って回っていたところ、偶然、クラーナハの小さなお部屋に辿り着く。リシュリュー翼の2F。

    Lucas Cranach dit l’Ancien, 
    « La Déesse de l’amour, Vénus, debout dans un paysage », 1529

    Lucas Cranach dit l’Ancien, 
    « Les Trois Grâces», 1531

  • “If I were in heaven, Nelly, I should be extremely miserable.”

    “Because you are not fit to go there,” I answered. “All sinners would be miserable in heaven.”

    “But it is not for that. I dreamt once that I was there.”

    “I tell you I won’t hearken to your dreams, Miss Catherine! I’ll go to bed,” I interrupted again.

    She laughed, and held me down; for I made a motion to leave my chair.

    “This is nothing,” cried she: “I was only going to say that heaven did not seem to be my home; and I broke my heart with weeping to come back to earth; and the angels were so angry that they flung me out into the middle of the heath on the top of Wuthering Heights; where I woke sobbing for joy. That will do to explain my secret, as well as the other. I’ve no more business to marry Edgar Linton than I have to be in heaven; and if the wicked man in there had not brought Heathcliff so low, I shouldn’t have thought of it. It would degrade me to marry Heathcliff now; so he shall never know how I love him: and that, not because he’s handsome, Nelly, but because he’s more myself than I am. Whatever our souls are made of, his and mine are the same; and Linton’s is as different as a moonbeam from lightning, or frost from fire.”

    Emily Brontë, Wuthering Heights, 1847, Chapter IX
    *
    ワクチンの微妙な副反応中、ベッドに横になりながらKindleで読み始める(新潮文庫、鴻巣友季子さんの訳)。大人になってから読んだ『ジェーン・エア』も本当に大好きになったけれど、やっぱり『嵐が丘』はとてつもない。物語も人物の大半も忘れていながら、もう長いことただひたすらに凄まじいものの印象だけが頭にこびりついており、今回もまたそれから距離をとることができなかった。十代の頃のわたしは、この作品が自分の魂を救済してくれるものだということまではまだわかっていなかっただろうと思う。
  • ワクチンの微妙な副反応中、ベッドに横になりながらKindleで読み始める。大人になってから読んだ『ジェーン・エア』も本当に大好きになったけれど、やっぱり『嵐が丘』はとてつもない。物語も人物の大半も忘れていながら、もう長いことただひたすらに凄まじいものの印象だけが頭にこびりついており、今回もまたそれから距離をとることができなかった。十代の頃のわたしは、この作品が自分の魂を救済してくれるものだということまではまだわかっていなかっただろうと思う。

  • モスクワのユダヤ人街のつましい家庭からパリの伯爵夫人の地位にまで上りつめ、19世紀の半ばに栄華を極めたクルティザンヌLa Païva。

    ”悪女”のお手本のようなその生涯のうち、三度ほど乗り換えた夫をはじめ(うちひとりの侯爵は結婚翌日に祖国ポルトガルへ追い返したという)、籠絡した男たちの財産を食い潰しながらシャンゼリゼ大通りに完成させた邸宅は、ヴィーナスやアマゾネスと、彼女が同一化していたという歴史や神話上の強く賢い美貌の女たちの絵画や彫刻で飾られており、家具や装飾は典型的な第二帝政様式、つまり歴史上の複数のスタイルの折衷で眩暈がするような豪勢さだし、みんなだいすき温室には植物が青々と生い茂っている。女主人の野心とあらゆる情念が染み付いたようなこの空間のなかに呑み込まれて、過去に沈んでしまいたい……という誘惑から逃れるには、現代の磁場があまりに弱すぎるし、いまの私の心は空疎すぎるのだった。

    全体的に妙に生々しさがあるような印象を受けたのは、現在も会員制のクラブの紳士さま方の社交場として利用されているためかもしれない。一般客による見学は月数回のガイドツアーによってのみ、それも入れるのは公的なサロンや食堂といった空間が中心で、パイヴァ夫人が親しい人に向けてピアノを演奏したという奥まった音楽室を覗いたり、大理石の螺旋階段を登るにつれて徐々に漂ってくるセンシュアルな雰囲気にわくわく…となり始めていたところ、あとちょっとのところで案内終了。おあずけを食らったような気持ちになりながら、ただ全部を開けっ広げにするのも野暮なのかもしれず、ドゥミ・モンデーヌの夢のお部屋のようすはガイドさんが見せてくれた寝台の写真を頼りに、貧しい想像力でどうにか思い描いてみるしかなかったです。

    あ、最後にクリストフルらしい銀の浴槽を見ることができたけれど、そちらは今、クラブの貴族さまのお食事空間となっているそう。ここで飲むシャンパンのお味はどんなものでしょうね。