• 2025年の元日からの短期間、ほとんど各所の図書館を転々とし残り時間をちらちら気にしながら篭りつつ、最低限押さえたいものを死守する滞在に。

    シャトレ座のLes Misérables公演、まさか渡航時にもまだ間に合う!と気づいた時にはすでに半分見えないsans visibilité な席しか取れなかったけど、パリの千秋楽の熱気を存分に浴びたのは最高に良い気分でした。シテ建築遺産博物館の企画展「百貨店のサーガ La Saga des grands magasins」で紹介されたデパート勃興の歴史は何度辿っても心踊るし、装飾美術館の展示①「親密なもの、寝室からSNSまでL’intime, de la chambre aux réseaux sociaux」は思いのほかコンパクトなオシャレ系展示(?)、展示②「わたしのテディベアMon ours en peluche」は愛らしい見かけに反してところどころホラーだったけども、どちらもエッジの効いたユーモアたっぷりで、この隙のないセンスが好き(展示③クリストフルは時間とエネルギー切れ)。今回ベストだったのはオルセー美術館のギュスターヴ・カイユボット展で、「男性を描くPeindre les hommes 」のサブタイトルから期待していた以上にわたし好みの切り口の展示。解説などはかなり英語圏寄りの議論の枠組みのようにも見えたし、賛否あるのかもしれないけれど、あまり意識して目をとめたことのないこの画家の魅力に気付けたのは嬉しいことだった。(19世紀の独身ブルジョワおじさまが描いた様々なおじさまおにいさま絵画には、実に味わいあると知った) 他にも色々と行きたかったものの、断念。

    最大のおみやげはインフルエンザA型で、帰国便の機内で喉が痛み出し、帰宅後即発熱でした。

  • 🕷️記録

    🕷️記録

  • 先日、葉山の洋館・旧足立邸で開かれた展覧会「Velvet Knot Doll Exhibition 2023 – 非日常に満たされた日常」を訪れました。

    ギャラリーでおすまししているのもかわいいけれど、築90年という歴史ある洋館で、今の館主の方のお手入れの行き届いた温かな空間の、飾り棚や椅子、ベッドの上にのびのびとしているのを見ると、本来の彼女、彼らのいるべき場所はこういうところなのよね、とあらためて実感するのでした。

    人形たちがこれほど幸せそうに、居心地がよさそうにしているのを見るのは久しぶり。

    *

    先月に三十路を迎えましたが、この十年は自分の直感に従いながら欲望の赴くままに生きることができ、多くの人と出逢って、楽しいことも愚かなことも、限られてはいるけれど少なくとも二十歳の時には想像もしていなかったような、本当にいろいろなことを経験したという気がします。

    昨年に続いて世界のめまぐるしい動きに眩暈がするようであった2023年も今日で終わりますが、難しく苦しいことが尽きずときに無力感に苛まれそうになるなかで、自分のときめくものへの情熱を絶やさないでいることが、いつか誰かにとっての希望のかけらとなることを烏滸がましくも願いながら、これからも学びを続けていきたいと思います。

    みなさまどうぞ良いお年をお迎えください。

    #ベルベットノット人形展

  • 2年間の滞在を終えてパリを離れるにあたり、このさまざまに入り乱れて大量に押し寄せてくる強烈な感情たちはなんだろうかと考えていたのだけれど、ひとつずつ分解して総合してみたところ、とても恋に近い何かなのではないかという、すごく月並みな結論に至った。

    だとしたら、ただでさえ恋は厄介なのに、街だと成就することもないし、おパリはやはり手厳しそう。でも、そのぶん終わりも見えないし、飽きることもなさそうで、ちょうど良いのかもしれない。これからの人生で、この感情とうまく付き合っていけるといいなと思いました。

    そして久しぶりに東京に戻ります。大人になってから初めてこれほど長い期間離れることになった、ずっと自分にとって切り離せない存在であり続けてきた街を、またあらたな目で見つめられるといい。

    留学生活は反省しかないものの、言葉というものの持つ底知れない力と、時に残酷に突きつけられるその限界とをこれほど深く考えた時間はこれまでの人生ではなかった。言葉でないものの大切さもまた知った。この期間、ともに時を共有してくれたすべての人たちに、心からの感謝を捧げます。

    🧸

    写真はいつかの雨の日に撮影した、カフェのくまさん

  • プティ・パレのサラ・ベルナール展、最終日に駆け込めた。期待に違わない充実した展示でした。

    1. Walford Graham Robertson, « L’Actrice Sarah Bernhardt dans son salon », 1889

    3. Georges Rochegrosse, « Japonaise dans l’atelier (portrait présumé de Sarah Bernhardt) », vers 1880

    4. Louis Ernest Lesage, dit Sahib, « Les poupées de Paris » dans La Vie Parisienne, 14 novembre 1896

    5. Paul Nadar, « Sarah Bernhardt dans Macbeth », 1884

    6. Wlater Spindler, « Sarah Bernhardt invoquant Diotima (Hommage à Sarah Bernhardt)», 1908

    « Sarah Bernhardt. Et la femme créa la star », Petit Palais, du 14 avril 2023 au 27 août 2023.